当代きってのブルゴーニュワイン、それがマルキ ダンジェルヴィル。

私どもでは、輸入元のご厚意もあり、可能な限り、新しいヴィンテージのワインを予め試飲をさせていただき、お客様にご提案しています。

2019年あたりのヴィンテージから、試飲の際の印象が大きく大きく変わりました。

盛者必衰の理をあらわすが如く、ここ数年の試飲で、間違いなく「マルキ ダンジェルヴィル」のワインに、他の著名なスター生産者のワインと比較試飲しても、もしかしたら比較にならないかもしれないな、と思うほど、圧倒的なものを感じます。

当代きってのブルゴーニュワインは、マルキ ダンジェルヴィルだと思います。

これがグランクリュでないことの方が驚き。

彼らのフラッグシップ「クロ デ デュック」、試飲してみると、これがグランクリュではないことの方が違和感があります（笑）。

特に「2022年」は歴史的な豊作、太陽に非常に恵まれた年で、そのおかげで現在はまだ少しタニックですが、その偉大な片鱗はリリース時の試飲の段階で疑いの余地が無いレベル。これは偉大なワインとなることがほぼ確定です。

かつての硬く閉ざした典型的なヴォルネーやポマールといったイメージとはかけ離れていて、どちらかといえばコート ド ニュイ的な、リッシュブールあたりの華やかさまでも獲得しているように感じます。

「クロ デ デュック」は無論抜群に素晴らしいわけですが、それと肉薄する「シャンパン」も筆舌し難いレベルのものです。

記憶に新しいのが「2020年」の「シャンパン」。

リリース時の試飲の際、ルミエさんやメオさんなどの偉大すぎるワインと比較試飲しましたが、あっさりとそれらを抜き去り、軽々とトップに立ってしまうほど、圧倒的に、まるで魔法がかかったように美味しい、素晴らしい仕上がりでした。

このような話は、文字では何も伝わらないと思います。

実際に試飲した私の単なる個人的な意見にすぎませんが、おそらくこのことは、遅かれ早かれ、世界中の愛好家が共有する話題であろうと確信しています。

圧巻の「2022年」を試飲してみて、私は私の意見を疑う理由がなくなった気さえします。

たしかにブルゴーニュのワインは高騰しました。

しかし、少なくとも、マルキ ダンジェルヴィルのワインは、昔とは比べ物にならないほど美味しいことも揺るぎのない事実です。

当主のギヨームさんに、これほどまでに美味しくなった秘密を教えていただこうとさまざまな質問をしましたが、やっていることは昔と一緒だよ、と繰り返されるばかりでした。

奥様もその言葉に頷いておられました。

たしかにそれも本当のことでしょう。

なにかを成し遂げようと思ったら、絶え間なく努力を繰り返すしかないではないか、そうおっしゃっているような気がしてなりませんでした。

この方のワインからは目が離せなくなると思います。